2017年3月28日火曜日

データ分析と旅行

そうだ、旅へ行こう

年に1~2回、リフレッシュを兼ねて、まとまった休みを取って旅行に行きます。
行きあたりばったりの旅や何もかもお任せのツアーにもそれぞれの良さがありますが、自ら計画を立てる旅行が好みです。
せっかくなら限られた期間でできるだけ見どころをまわりたいので、下調べをして観光先や移動手段、日程や宿泊先を検討していきます。

このタイプの、という前提つきにはなりますが、旅行とデータ分析には共通点があると感じています。

共通点(1)入念な準備

行き先を決めるところから始まり、どこを見て回るか、どのように回るか、どの程度時間をとるか、など、旅程を組むためには事前の情報収集が欠かせません。
このなかで、有名ではないけれど興味をひかれる観光先を見つけたりすることもあり、それらに柔軟に対応することができるのも自分で計画を立てる旅行の魅力です。

しかし、集められる情報には限りがあることも事実です。このあたりはある程度経験がものを言いますが、ときには現地での情報収集を計画に組み入れ、現地対応と割り切ることもあります。

データ分析においても、解析手法さえ知っていれば良い解析ができるというものではありません。何をやりたいのか、何が課題なのか(ビジネスの理解)、どんなデータがあるのか、それはどれだけ整備されているのか(データの理解)、などの情報を集め、分析計画を立案します。

この時点で必要な情報がすべて得られているとは限りませんらないので、調査やヒアリングを組み込んだ計画とすることもあります。

共通点(2)臨機応変な対応

実際の旅行は、必ずしも計画通りとはいきません。むしろ、大なり小なり予定通りにいかないことが多いです。
悪天候などによるフライト遅延、ロストバゲージ、想定外の休館や閉店、道に迷って到着遅れ、楽しみすぎての滞在時間オーバー、などなど。
また、目的は楽しむことですので、積極的に計画を変えたほうがよい場合もあります。

実際の旅行に入ったら、現地での状況をもとに臨機応変に計画を変更・修正して進めていきます。このとき、経験がものをいうのはもちろんですが、旅行前の下調べも役に立ちます。打ち手の選択肢が広がるのです。

データ分析も、必ずしも想定通りには進みません。
事前には把握できていなかった事実に対処しなければならなかったり、データの説明力が想定していたより低かったりして、計画や仮設の修正に迫られることはしょっちゅうです。
状況を明らかにし、それに対してどのようなアプローチで解析していくか、データを見ながら有効と考えられる進め方を調整していかなければなりません。
この際、分析のスキルや経験とともに、事前の調査が大きな力になります。

共通点(3)文化の違い

これはとくに海外で感じることが多いですが、あたりまえと思っていることや感覚が異なることがあります。
正確な情報を伝えるとか時間を守るというのは、日本人にとっては自然なことですが、世界標準ではないようです。
郷に入っては郷に従え。相手の感覚を理解しないと、ときにはトラブルに発展することもあります。

データ分析では、お客様はビジネスの視点で、分析者は分析の視点で、考えたり語ったりしがちです。
「分析にはこのデータが使えるはずだ」と言われていても、実際は集約されていなかったり、形式がばらばらだったりと現実的には「使えない」データであったりします。
お互いの常識や言葉遣いに差異があることを認識して進めないと、期待と結果に大きなずれを生むことになりかねません。

共通点(4)真の理解

文章でも写真でも、たとえ映像であっても、それによって「知っている」ことと、その場へ行って自分の目で実際に見て「体験する」こととは大きな差があります。
風があり、匂いがあり、温度がある。肌で感じ、心で感じる。そこには現実を体験する重みとでもいうものがあります。

そして、旅をさらに実りあるものにするのは、下調べでも把握していなかった、初めて知る事実です。それは決して突拍子がないものではなく、そこにある風土や文化の一端として現れます。
そのような「現実の立体的な理解」が得られるのも、実際にその世界に自らを置くという体験があってこそ、です。

データ分析においても、予想されていたこと、一般的に言われていることが解析結果として示されることも多いですが、それらは決して意味のないことではありません。事実としてデータに裏付けられた、ということに大きな価値があるのです。現実を説明し、さらなる推論の礎となる強固な基盤となります。

そして、些細ではあっても、「勘と経験」や仮説設定の際には思いもよらなかった「隠された事実」が見つかることがあります。これは単独で現れるものではなく、データが示す一連の「構造」の一部として説明されます。 データ分析を行うことで初めて到達できる世界です。

違いは?

それだけ共通点があるのなら、あえて旅行なんて行かなくても分析をしていればいいじゃないかって?
いえいえ、あくまでオンとオフ、仕事と休暇、です。責任感も心持ちも違います!

そういえば、オフでもデータ分析をやっている同僚もいました。最大の違いは「どんな立場でやっているか」ということなのかもしれません。